2006年12月17日

PKPM最後の研修・セミナー(ゴロンタロ州)

12月5〜12日、事務局の長畑、山田、松井は、インドネシア・スラウェシ島のゴロンタロ州へ行っていました。

12月5日には、11月にゴロンタロのNGOリーダーであるアルスディン・ボネ氏を日本へ招聘して実施した「スマイルりんく」の報告会をゴロンタロ市内で行いました。これについては、スマイルりんくのページで別途報告しますが、アルスディン・ボネ氏が簡単に帰国報告した後、松井からいりあい・よりあい・まなびあいネットワークの説明を行い、最後に山田からスマイルりんくの活動についての説明を行いました。

6日からは、地域開発・社会開発における地方行政とNGO・市民社会との有機的な関係の構築を目的としたJICAの「市民社会の参加によるコミュニティ開発」(PKPM)プロジェクトの現地国内研修および最終セミナーに参加してきました。

そこで何が起こったのか。以下、簡単に報告します。

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2006年10月11日

インドネシアPKPM・ジャパンミッションの報告

さる9月5日〜25日の3週間、インドネシアPKPMプロジェクトから4名の地元NGOリーダーたちが来日、東京→高山→神戸→横浜→東京と視察・研修・学習・交流の旅を行いました。(「あいあいネット」も協力するPKPMプロジェクトについては、http://project.jica.go.jp/indonesia/0061565E0/index.htmlを参照)

来日したのは4人。
ヤンゲワ(東ヌサトゥンガラ州クパンのNGO・INCREASE)
エレナ(西ヌサトゥンガラ州東ロンボクのNGO・YMP)
ヘンドリック(スラウェシ島ゴロンタロ州のNGO・INPUT)
ルスラン(南東スラウェシ州クンダリのNGO・SIKLUS)

JM bersama.JPG

(後列左からヘンドリック、ルスラン、エレナ、一人おいてヤンゲワ)


活動内容と訪問先は次の通りでした。
東京:講義(日本のNGO・NPO、日本の地域開発)
   訪問と調査(あいあいネット、シャプラニール)
高山:講義と訪問・インタビュー等
   (ソムニード、空町倶楽部、あんきや、
    久々野地区のNPOや住民組織等、新宮町地区町内会)
神戸:講義(日本のコミュニティについて、参加型開発)
   訪問とインタビュー等(まちコミュニケーション、
   淡路プラッツ、市民活動センター神戸、チャイルドライン)
横浜:横浜国際フェスタの準備会合を見学

では、日本で何を学んだのか。まず彼らがこの研修・調査に参加するにあたり、事前にたてた目的は次の通りでした。

1)コミュニティ主体の活動を外部者として促進するために何が大切か
2)市民社会に根ざしたNGO・NPOのあり方とは。持続性はどうやって可能か
3)NPOやNGOに集う人々について。特にボランタリズムについて知る
   
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2006年08月14日

PKPMウィークリー報告(8)

「あいあいネット」事務局の長畑です。8月12日、8週間に及んだPKPMプロジェクトの短期専門家滞在を終えて、日本に帰国しました。今回の赴任では、特に東部インドネシアで活動するNGOの現状と課題につき、様々な現場を訪れてNGO活動家の仲間たちと話し合うことができ、大変勉強になりました。全体のまとめについては、次週のウィークリー報告(総集編)でご報告したいと思います。今回は、先週最後のフィールドとなった、ゴロンタロ州LP2Gの合宿について報告します。

LP2G(ゴロンタロ開発調査協会)は、ウィークリー報告(3)で紹介した、PKPMのマスターファシリテーターの一人アルスディン・ボネ(ルスディン)氏が率いるNGOです。前回7月の訪問で、LP2Gの置かれた状況や組織のあり方等について、私が若干辛口のコメントをしたのですが、それを受けたルスディンが、「LP2Gの今後について、スタッフとボランティア全員で合宿をしよう」という企画を考えました。その合宿が8月7〜8日とあり、そこにPKPM専門家の石丸さんとともに参加してきました。

合宿会場はなんと、LP2Gの活動地の一つである、ドラマヨ村の山の中でした。ゴロンタロ市内から車で川を遡ること1時間。山間のバザールで車を降りて、LP2Gのみんなはバイクに分乗して細い山道を登り始めました。私と石丸さんは、「日頃の運動不足解消だ」との理由で、歩いて登ることにしました。

赤道直下ですが、標高が600メートル以上あり、森の中の山道で湿度もそれほど高くないので、快適な「トレッキング」でした。ゴロンタロ州のあるスラウェシ北部の半島は東西に大変細長いのですが、火山を含む山脈が中心を走っており、そうした山並みを眺めながら2時間の行程。この村の特産である丁字やシナモンの木、ニッパ椰子、砂糖椰子、その他いろいろ有用な樹木について一緒にあるくLP2Gのスタッフに教えてもらいながら、途中では砂糖椰子から樹液をとっている風景にも出会いました。(これを煮詰めて椰子砂糖になりますが、そのまま置いておくと椰子酒になるそうです)続きを読む
posted by あいあいネット at 14:24 | 東京 ☀ | Comment(0) | TrackBack(0) | インドネシアPKPMからの報告 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年08月04日

PKPMウィークリー報告(7)

今週は東ヌサトゥンガラ州クパンを訪問しました。今回のPKPM専門家としての赴任期間中2度目の訪問です。PKPMのマスターファシリテーターであるヤンゲワ氏やPKPM地元専門家であるファリー氏が運営する地元NGOのIncrease(ウィークリー報告(4)参照)が、地元NGOのスタッフや行政官を対象に研修をしていたので、それを視察するのが目的の一つ。もう一つは、前回やり残した、YAOというNGOへのインタビューでした。今週の報告は、YAOについてと、Increaseのヤンゲワ氏のインタビューについてです。

まずYAO。Yayasan Alfa OmegaというこのNGOは、1985年に教会のバックアップで設立されたミッション系NGOです。東ヌサトゥンガラ州では、というかインドネシア全体でも、老舗の大手NGOの一つと言えるでしょう。現在は専従スタッフ29名ですが、つい最近までは60名以上でした。これは最近の「分権化」方針で、地方ごと、テーマごとに小さなNGOを設立して分離していく方針をとったためです。現在でも東ヌサトゥンガラ州のほぼ全域をカバーしています。

この団体の運営を一言で表現するなら「手堅い運営」と言えるでしょうか。毎年、各セクションごとに計画と予算を立て、半年に一回の全体会議でその進捗をチェックしながら進めていきます。もちろん各セクションでは定期的なミーティングで情報共有がなされています。それらの会議はすべて記録に残されています。予算管理体制もしっかり作られています。そして資金的にも、研修施設の運営とマイクロファイナンス機関による貸し出し益等で、経常経費を全て賄うことができています(年間経常経費は約4億6000万ルピア、自己財源収入は年間6億ルピア。ちなみに年間活動費は全体で40億ルピア)。(1円=約78ルピア)

YAOが作られた時は、スハルトの独裁政権時代の真っ最中でした。続きを読む
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2006年07月31日

PKPMウィークリー報告(6)

7月最終週は南東スラウェシ州の州都クンダリに出張でした。クンダリは新しい町で、周辺の村落も含めて「開拓地域」という印象の強いところです。人口密度が低く、森林資源・海洋資源も豊富にあり、コミュニティの団結力も残っているところです。PKPMはここでも地元の行政官やNGO関係者による活動を支援していますが、今回の私の仕事は、例によって地元NGOを回っての聞き取りが中心でした。その中で、SINTESAという東部インドネシアでは老舗のNGOが大変興味深いので、以下に紹介します。

<SINTESA>
SINTESAはユニークな生い立ちを持っています。もともとはアメリカの国際NGO「Project Concern International(PCI)」の保健プロジェクトとして始まり、その一環として1991年に地元NGOが設立されたものです。プロジェクトのスタッフだったフグア、ムクリス、マンスール、アハマッドの4名が設立者となりました。彼らが掲げたスローガンというか意思表明というのが「Hidup mati diSintesa」(SINTESAとともに生き、SINTESAとともに死ぬ、というような意味でしょうか)でした。つまり最初から、団体として自立してやっていこう、という明確な意思があったと思います。これは、90年代初めという時代を考えると、かなり珍しい例と言えるかもしれません。

独立した当初、PCIは「5年間は資金援助を継続する」と約束していましたが、実際にはそれは反故にされました。そこでSINTESAは最初から、資金獲得に苦労することになりました。PCIから引き継いだ車2台を売り払ったり、フグアは英語の先生をやったり、他の2名はWarungを開いたり、ともかく生き残りに必死だったようです。(ちなみにこの時期、フグアには公務員にならないか、というオファーがあったそうですが、それを断ったそうです)。PCIは資金援助はしなかったものの、他のドナーに紹介だけはしてくれて、イギリスやカナダのドナーがつくようになりました(給水プロジェクトや薬局作り、地元NGOの能力育成等)。ここで重要なのは、当時ドナーは「NGOを使ってプロジェクトをする」という考えは持っていなかったので、SINTESAの側からプロジェクト企画書を作ってドナーに提案してきた、ということです。

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posted by あいあいネット at 16:48 | 東京 ☁ | Comment(0) | TrackBack(0) | インドネシアPKPMからの報告 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年07月23日

PKPMウィークリー報告(5)

今週は西ヌサトゥンガラ州ロンボク島への出張でした。同州東ロンボク県でPKPMの国内研修(ファシリテーター養成・モニタリング編)が行われていて、その最終日には、マスターファシリテーターたちとのミーティングがあって、そこに参加してきました。

研修はソムニードの和田信明代表と原康子さん(インド駐在代表)がファシリテーターを務めていて、「住民主体のモニタリングとは何か」を考える上で大変興味深いのですが、それは別の機会に紹介しましょう。またマスターファシリテーターとの会合では、これまで3週間にわたって彼らが活動する7つの村をまわってきた中田さんによる「自己評価ファシリテーション」の報告もあり、PKPMが村にどのようなインパクトを与えているのか、という面で大変おもしろかったです。これについてもまた後日まとめて報告することとして、今週のトピックは東ロンボク県で活動する地元NGO・YMPとその代表・エレナさん(PKPMマスターファシリテーター)です。続きを読む
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2006年07月14日

PKPMウィークリー報告(4)

長畑です。今週は地方巡業の谷間で、ジャカルタとマカッサルそれぞれのPKPM事務所での活動が中心でした。
前回はゴロンタロ州で活動する地元NGOのLP2Gをとりあげて、その課題を考えましたが、今回はもう一つ、東ヌサトゥンガラ州クパンで活動するINCREASEという地元NGOを紹介します。

INCREASE(Institute for Cross Timor Economic and Social Development=ティモール地域経済社会開発研究所)は2001年、主に東ティモール地域で調査研究や開発の実践に関係していた人たちにより、クパンで設立されました。ご存知のように東ティモールがインドネシアから独立したことで、一部の人たちはインドネシア側である西ティモールに移住しており、INCREASEの設立者たちもそうした人たちが中心でした。ただ、当初はボランティア的な活動が主でしたが、2003年になり、設立者の一人であるファリー・フランシス氏がそれまで働いていた地元NGOを辞めてINCREASEを中心的に運営するようになり、団体としての発展が始まりました。

ファリーが前のNGOを辞めたきっかけは、JICAの研修で日本に行き、中田豊一さん(神戸在住、参加型開発研究所)や和田信明さん(岐阜県高山市に本部のあるNGO・ソムニード代表)と出会ったから、と言います。特に和田さんのところに行った際、
「僕はコミュニティのことを実は何にも知らなかったことに気づいた」
そうです。そこで帰国してから、コミュニティに根ざしたNGOをやりたい、と思い、INCREASEに本格的に取り組むようになったとのこと。
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2006年07月09日

PKPMウィークリー報告(3)

7月8日(土)、18日間にわたる地方出張が終わりました。南スラウェシ州、中スラウェシ州、ゴロンタロ州、東ヌサトゥンガラ州と巡った今回の旅、主な課題は地元NGOの能力の現状とその育成の方向性について、地元NGOの人たちとともに考える、というものでした。

この間、中スラウェシ州パルでは3つの団体の自己評価に参加し、ゴロンタロではLP2G(マスターファシリテーター・ルスディンのNGO)の、東ヌサトゥンガラ州クパンではIncrease(ローカル専門家・ファリーのNGO)の、ケーススタディをそれぞれの団体スタッフらとともに行いました。またマスターファシリテーターのアジスやアンガとも、団体能力育成について話し合いました。

一連のスタディを通じて見えてきた、PKPMにかかわるNGOの持つ課題を一言で表すなら、「Vision Missionへのイニシアティブを維持しながら、いかにして組織化を進めるか」ということになるでしょうか。PKPMはこれまで、コミュニティの「エンパワメント」に向けたファシリテーションを行う人材の育成に努めてきて、能力とやる気のある人たちが少しずつ増えています。しかし、それを持続的にかつ社会的影響力のある形で波及していくためには、NGOという組織がしっかりしていく必要があると思います。そして、その点からは、まだまだ東部インドネシアのNGOは「ようやく一人で歩けるようになった子ども」のような状態です。

今回の報告では、PKPMに集うNGOリーダーの中でも組織作りやネットワーク作りに長けている一人、アルスディン・ボネさんが率いるゴロンタロ州のNGO「LP2G」について見ていきましょう。

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2006年07月01日

PKPMウィークリー報告(2)

6月25日〜30日、中スラウェシ州パルでの活動でした。中スラウェシ州は「いりあい交流2006 in Japan」で来日したヘダールさんたち一行が住んでいるところですが、今回はそれとは別、PKPMプロジェクトのお仕事でした。

ここパルにはPKPMの一連の研修で学んだ「マスターファシリテーター」の一人、アジスがSantigi InstituteというNGOを仲間と作って活動しています。村人と話すのが大好きな彼は、州都パルから車で6時間ほど北に行った海沿いの村で、自然資源管理を中心に据えた村の活動を支援しています。ただ、今回は昨年6月に彼がJICA研修の一環で日本を訪れた際に得た着想で、「NGOの組織能力自己評価」をパルで活動するNGOの仲間たちとやる、ということで、それに関するアドバイスを行いました。

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2006年06月26日

PKPMウィークリー報告(1)

「あいあいネット」事務局の長畑です。6月18日から約2ヶ月の予定で、インドネシアでのJICA(国際協力機構)技術協力プロジェクト「市民社会の参加によるコミュニティ開発」に短期専門家として赴任しています。

このプロジェクトはインドネシア語の呼称「Pengembangan Kemitraan untuk Pemberdayaan Masyarakat(コミュニティ・エンパワメントのためのパートナーシップ構築)」から通称PKPM(ペーカーペーエム)と呼ばれ、2004年1月よりJICAが実施している技術協力プロジェクトとして開始されました。

(1)コミュニティのためのファシリテーター育成、(2)コミュニティに役立つエンパワーメント事例の調査、(3)コミュニティによるパイロット活動の実践などの活動を通じて、「インドネシアの人たちによるインドネシアの開発」(村人による村人のための村づくり)を目指した技術協力を行っています。

赴任して最初の週(6/18〜25)の活動は、「終了時評価」に関する「自己評価」活動への参加でした。JICAではプロジェクトが終了する前に「終了時評価」を実施することになっており、PKPMの場合も来月にJICA職員やコンサルタントからなる評価団が訪れます。それに先立ち、プロジェクトに主体的に関わってきたインドネシア人側で、自分たちが何をどこまで達成できたのか、何が課題として残っているのか、について考えていこう、というのが「自己評価」活動です。

この自己評価活動のために、日本から私の長年の友人である中田豊一さんがチームに加わってくれました。中田さんはシャプラニールやセーブザチルドレンで長年活動してきたNGOのリーダーで、参加型開発研究所を主宰し、ついこの間まで2年間はラオスのJICAプロジェクト(森林保全プロジェクト)で専門家として活動してきました。

中田さんとPKPM長期専門家の石丸奈加子さん、現地専門家のファリーさん、そして私がまず訪れたのは、南スラウェシ州・ゴワ県のマリノという高原地帯でした。

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posted by あいあいネット at 22:14 | 東京 🌁 | Comment(0) | TrackBack(0) | インドネシアPKPMからの報告 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする