現地視察先に選んだのは、山形県飯豊町中津川地区と、兵庫県豊岡市。中津川はあいあいネットの「いりあい交流」でもお世話になっていますが、全国最大規模の財産区があり、いりあい林野を地域の人たちが(行政と協働しつつ)持続的に活用してきた、という歴史があります。一方、兵庫県豊岡市は私たちにとっても初めての訪問先でしたが、ここではコウノトリの野生復帰プログラムを、「環境と経済の共鳴」という視点で地域づくりに繋げている、という大変興味深い事例です。「コウノトリ育む農法」という無農薬・有機のお米や農産物をブランド化して地域経済の活性化と環境保全との両立をはかろうとしています。
豊岡の「コウノトリ育む農法」で冬期湛水の田んぼを前に
この2カ所以外にも、神戸市の市民活動センター神戸で、行政とNPOとの協働についてお聞きしたり、豊岡市竹野の国立公園ビジターセンターで、日本の国立公園制度とレンジャーの役割についてお話しをお聞きしたり、そして静岡県の富士の麓にある「田貫湖ふれあい自然塾」を会場に、環境教育とエコツーリズムに造詣の深い講師の方から、エコツーリズム振興のあり方について学んだり、大変中身の詰まった研修となりました。
また、26日には、JICA横浜を会場に、あいあいネットの勉強会として、彼らの活動についての報告会を開催することができました。
最終日には、研修で学んだことをもとに、これからの彼らのアクションプランを発表してもらいました。
コハルさんとイワンさん
一番現場に近いので、日本でも、豊岡での農業改良普及員と農民のお話しが一番印象に残ったようです。現場に足繁く通い、信頼関係を築き、具体的な事実を示しながら、一緒に活動を作っていく。フィールドワーカーとして一番大切な姿勢を学び取ってもらえたと思います。また、「コウノトリ育む農法」のように、環境にやさしく、しかも経済向上に繋がるような収入向上活動に何があるのか、「砂糖椰子」や「薬草」などのアイデアもでていますが、それをこれから(農民たちと一緒に)考えていくことが課題のようです。
クスマラさん
「もともと害鳥だったコウノトリが、環境と経済を両立するまちづくりのシンボルになった」という学びが大きいようです。ジャワクマタカの繁殖や放鳥をテコにした環境保全+経済振興活動に取り組んでみたい、と表明しました。豊岡の取り組みから学ぶとともに、具体的な動きにしていくことが課題でしょう。
ゲンマンさんとペペンさん
飯豊町中津川の財産区で、住民と行政が協働し、ゾーニングをして、住民主体の森林管理と生計向上を実現してきた過程に学ぶことが多かったようです。ゲンマンは「住民、公園、行政が土地利用計画をいかに合意していけるか」が課題であり、そのための詳細なアクションプランを作成しました。またペペンは、レバック県との関係作りに向けて、いろいろ考えているようです。
アチェップさん
総務課長なので、彼らのアクションプランを側面から支援したい、というのが彼のプランですが、それだけでなく、住民と行政との協働や行政間の調整について、豊岡や中津川の例から学んだようなので、これからの貢献が楽しみです。
あいあいネットにとっても、自然資源管理における住民と行政との協働、そして環境と経済の両立、という大きな課題に関して、いろいろと学び、考える、とてもいい機会となりました。
各地で受け入れにご協力いただいた皆様、本当にありがとうございました。これからも、インドネシアでの彼らの活動を温かく見守っていただければ幸いです。
JICA東京での閉講式で


