2006年10月21日

JICA「市民社会活動の促進とコミュニティ開発」研修 in 紫波町



 あいあいネット事務局の壽賀です。10月16日〜18日、先週山形県飯豊町中津川地区を訪問したJICA「市民社会活動の促進とコミュニティ開発」の研修生とともに、岩手県紫波町を訪ねました。紫波町は全国に先駆けて「紫波町循環型まちづくり条例」を制定し、地域の特徴をいかした循環型社会の構築に取り組んできたところ。紫波町役場はどのように循環型まちづくりを推進してきたのか。それに対して住民の方々もまた、どのように主体的にまちづくりに参加してきたのか。これが今回の現場研修と地元の方々との交流の目的です。

 日数は中津川より1日少ない2泊3日ですが、そのスケジュールは、町の循環型まちづくり政策の説明→住民との協働についての説明→住民と行政のつなぎ手として設立されたNPOの説明→町の風景を概観→堆肥化センター見学→農産物直売場見学→学校林の地元木材を使って建てられた小学校見学→特産の果樹の生産・加工見学→休耕田の観光客用花畑への転用見学→地元木材を使った駅舎見学→NPO訪問→住民の方々との交流会→まとめの質疑応答・ディスカッション、と大変盛りだくさんでした。

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地元木材が使われた紫波中央駅待合室で説明を受ける


 16日、好天に恵まれて東北新幹線の車窓を満喫した研修生一行が盛岡で在来線に乗り換えて紫波中央駅に着くと・・・、列車のドアが開かない!! 降りられないうちに列車が動き出し、皆パニック。実は、車掌のいないワンマン運転の列車は1両目のドアしか開かなかったのです。次の駅まで迎えに来ていただいた紫波町役場の方々に事情をうかがって一同大爆笑となりましたが、とんだハプニングの始まりとなりました。

 なんとか中央公民館にたどり着いた研修生は、藤原町長をはじめとする町役場の皆さんの歓迎を受けた後、さっそく紫波町の循環型まちづくり政策や住民側からの取り組みとして設立されたNPO「紫波みらい研究所」について講義を受けました。ただ、列車での移動と到着時のハプニングからくる疲れもあってか、研修生は講義の細かい内容について翌日の現場視察を通じて消化していくことになったようです。

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 翌17日も朝から快晴に恵まれ、先週から引き続く好天に研修生は皆お互いの心がけの良さを自慢していました。この日は、まず見晴らしの良い城山公園から紫波町を一望した後、畜糞や企業からの生ゴミの堆肥化と木っ端から粉炭・木酢液・木質ペレットの生産をおこなう「えこ3センター」、農産物直売場「産直志和握里もっす」、学校林の地元木材を使って建てられた上平沢小学校、特産のブドウやリンゴを生産する紫波フルーツパークとワイナリー、休耕田を観光のための花畑に転用した彦部コスモス畑、地元木材を使った紫波中央駅、駅に併設するNPO「紫波みらい研究所」、を見学して回りました。

 駆け足の視察だったものの、中津川訪問と同様、実際に見て、歩いて、地元の方のお話を直接うかがうことのインパクトは大きく、前日の講義内容を具体的に理解するのにとても役立ったようでした。

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紫波町を一望できる城山公園にて


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堆肥や粉炭、木質ペレットを生産する「えこ3センター」


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休耕田を使った美しい花畑で説明を受ける


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NPO「紫波みらい研究所」を訪問


 中津川では「地元から生まれ、地元のイニシアティブで進められてきたコミュニティ開発」がテーマでしたが、紫波町の現場視察では主に「行政の先導による循環型まちづくり」を研修生たちは学びました。ただ、駆け足で見学して回ったこともあり、地元住民による活動や行政との連携の様子が逆にわかりにくくなってしまったきらいもありました。このため、視察から戻った夜の会議で、今回の講師のお一人であるローカルジャンクション21の朝田くに子さんから地元のイニシアティブについて補足的な講義をしていただきました。

 この日の夜は地元の方々との交流会ということで、研修生を代表してアフガニスタンのアバシさん、ハビブさん、フマユーンさんと、ツバルのレアラさんからそれぞれの国の様子を皆さんに説明してもらいました。美しい写真も多く紹介され、参加された紫波町の皆さんには大いに関心を持っていただけたようでした。

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南太平洋の島国ツバルの踊りを披露するレアラさん(左)
と飛び入りのアイリーンさん(右。パプアニューギニア)


 最終日の18日は、町役場の会議室でまとめのセッションをおこないました。研修員からは、「町役場はどのように住民を巻き込んでいったのか?」、「政府、県、町の役割はそれぞれどのようなものだったのか?」、「政治や政党の影響はないか?」、「NGOとはどのように連携をつくっていったのか?」、「住民と町役場の間にはどのようなコミュニケーションの回路があるのか?」など、やはり行政の役割と地元のイニシアティブとの関係・連携・シナジーといった分野に質問が集中しました。

 これに対して町役場の方からは、何か型が初めからあるのではなく、課題やプロジェクトごとに話し合いを通じて形を創りあげていくことや、直接の話し合い、電話・手紙・ファックス・電子メール、町議会など住民と町役場の間のさまざまなコミュニケーション回路の重要性などが強調されました。内容を十分に消化するには多少時間が足りなかったようですが、研修生は皆さまざまなヒントを得て帰路に着くことができたようです。

 雨男だという紫波町循環政策室長の中田さんのパワーで2日目の夕方に少し雨に降られたものの、全体を通してはおおむね晴天に恵まれた研修でした。10カ国18名もの研修生に充実したプログラムを提供してくださった紫波町の方々に心から御礼申し上げます。

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町役場でまとめの質疑応答・ディスカッション


posted by あいあいネット at 12:31 | 東京 🌁 | Comment(0) | TrackBack(0) | 地域づくりネットワーク | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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