2006年08月14日

PKPMウィークリー報告(8)



「あいあいネット」事務局の長畑です。8月12日、8週間に及んだPKPMプロジェクトの短期専門家滞在を終えて、日本に帰国しました。今回の赴任では、特に東部インドネシアで活動するNGOの現状と課題につき、様々な現場を訪れてNGO活動家の仲間たちと話し合うことができ、大変勉強になりました。全体のまとめについては、次週のウィークリー報告(総集編)でご報告したいと思います。今回は、先週最後のフィールドとなった、ゴロンタロ州LP2Gの合宿について報告します。

LP2G(ゴロンタロ開発調査協会)は、ウィークリー報告(3)で紹介した、PKPMのマスターファシリテーターの一人アルスディン・ボネ(ルスディン)氏が率いるNGOです。前回7月の訪問で、LP2Gの置かれた状況や組織のあり方等について、私が若干辛口のコメントをしたのですが、それを受けたルスディンが、「LP2Gの今後について、スタッフとボランティア全員で合宿をしよう」という企画を考えました。その合宿が8月7〜8日とあり、そこにPKPM専門家の石丸さんとともに参加してきました。

合宿会場はなんと、LP2Gの活動地の一つである、ドラマヨ村の山の中でした。ゴロンタロ市内から車で川を遡ること1時間。山間のバザールで車を降りて、LP2Gのみんなはバイクに分乗して細い山道を登り始めました。私と石丸さんは、「日頃の運動不足解消だ」との理由で、歩いて登ることにしました。

赤道直下ですが、標高が600メートル以上あり、森の中の山道で湿度もそれほど高くないので、快適な「トレッキング」でした。ゴロンタロ州のあるスラウェシ北部の半島は東西に大変細長いのですが、火山を含む山脈が中心を走っており、そうした山並みを眺めながら2時間の行程。この村の特産である丁字やシナモンの木、ニッパ椰子、砂糖椰子、その他いろいろ有用な樹木について一緒にあるくLP2Gのスタッフに教えてもらいながら、途中では砂糖椰子から樹液をとっている風景にも出会いました。(これを煮詰めて椰子砂糖になりますが、そのまま置いておくと椰子酒になるそうです)到着したのは、ゴロンタロ市や隣のリンボト市が一望のもとに見渡せる尾根の上。前村長さんのお家にホームステイさせてもらいました。LP2G一行18名は、さらに山の上にあるゴロンタロ大学のもつ小さな山小屋で雑魚寝状態。もちろんお湯のシャワーなどなく、山の冷たい水でのマンディ(水浴)。夜は涼しく、月明かりがきれいでした。まずは全員が自己紹介と、なぜNGOに関わるようになったか、を話しました。スタッフやボランティアたちは、全員が20〜30歳代前半。学生のころからボランティアで社会活動に関わったり、スハルト独裁政権打倒の運動に参加したり、活発な人たちです。私たち日本人は途中で村長宅に引き上げましたが、みんなは夜中ずっと3時頃まで語り合っていたようです。

さて、翌朝は引き続いての話し合い。山小屋近くにある森の中の休憩所を使ってのワークショップです。まずは私から「人はなぜNGOをやるのだろうか」との問いかけ。「それは何らかの社会的な目的があるから」「社会に何らかの変化を起こすことを目指す」というような答え。「それでは、一人でもNGOはできるでしょうか」「一人でやるなら、それはNGIですね」「ではなぜNGO(Organization)が必要なのでしょう」との問いには、「社会的な力を持つため」「継続して活動するため」といった答え。

ここで「NGOは何らかの社会的な目的、社会的な変化のために作られる」「NGIでなくNGOなのは持続性や影響力という面で」という点を皆で確認。その上で、「それでは、我々が自分たちの使命や目的を維持し実現していくためには何が必要か」「組織として発展していくためには何が必要か」の2点について、グループに分かれて議論してもらいました。

(1)NGOが使命・目的を維持し実現するために必要なこと
・ボランタリズムとコミットメント
・使命や目的を実現するための活動を継続する
・そのために必要なスタッフの能力を高める
・自分たちで資金を作る(ドナーのプロジェクトに依存しない)
・使命や目的に賛同してくれる人たちとのパートナーシップ
・よりプロフェッショナルな仕事をする
・活動の評価をしっかりやる

(2)NGOが組織として発展していくために必要なこと
・財務会計運営の制度化と透明性
・スタッフの雇用システム整備と能力育成
・年間活動計画と報告を作成すること
・事務所とその設備の整備
・活動評価とスタッフの評価を整備する
・収入源の安定と多角化


グループでの議論には大変熱が入り、昼食後、山を降りる直前まで議論が続きました。上に上げたような点をもとに、LP2Gとしての課題を整理し、具体的なアクションプランを作る、というのが次回以降の宿題となりました。LP2Gはこれまで、創立者のルスディン一人が頑張って組織を作ってきましたが、今回の合宿を通じて、スタッフらが組織のあり方について自分のこととして考える下地ができたように思えます。

山の中で、おいしい空気を吸いながら、みんなで議論する。とっても有意義な1泊2日でした。みんなの表情がとてもよかったです。私は、ずっと昔、シャプラニールというNGOのボランティアをやっていた頃に、仲間たちとこんな形で合宿をして議論したな、ということを思い出しました。NGOが少しずつ成長していく、その現場を目撃することができました。運動にもなりましたし、身体にも精神にもよかったドラマヨ村合宿でした。
posted by あいあいネット at 14:24 | 東京 ☀ | Comment(0) | TrackBack(0) | インドネシアPKPMからの報告 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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